デルタフォース / アルティメット・コマンドー CIA VS デルタフォース The 2nd

2020年 外国映画 4ツ星 アクション 主人公は軍人

必要なものが揃ってる喜び。

チャック・ノリスの『デルタフォース』(1986)とは関係ない。原題は「The 2nd」だが、なにかの続編という感じもない。よくわからない。

内容は単純なアクション映画。おそらく低予算で制作されているだろうが、状況を制限することで緊張感を高めている。うまい。

目的は要人の娘を、悪いヤツらから守り抜くこと。主人公(父)は精鋭部隊の兵士だが、その息子が介在することで展開が読みにくくなっている。
若者たちは戦うことを拒否したり、投降すれば助かる、自分が犠牲になればいい、と考えるが、悪いヤツらには通じない。「愛するものは、戦って守るしかない」という現実を受け入れていく。ああ、楽しい。アクション映画は「戦うしかない」という現実を確認するため見ていると思う。

悪人グループは冷酷非情で、強大に見えたが、追い詰められると勝手に自壊した。ああ、こうでなくっちゃ。悪人グループを健やかに描くと、子どもの教育によろしくない。

父は息子に大統領の腕時計を渡し、「救った命を思い出してくれ」という言葉を伝える。たくさん人を殺したことを、正義と割り切ることはできない。それでも戦うしかないし、感謝されることもある。素晴らしい。

そしてラスト。父は悪人グループの報復を受け、ふたたび戦いの渦中に身を投じる。戦いによって得られるものがあれば、失うものがある。いいバランスだ。

おもしろかった。
ど派手なアクションがあるわけじゃないが、大事なものが揃っていたと思う。

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