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[レビュー2016年12月06日に発表された 

人喰いの大鷲トリコ (PS4)

The Last Guardian

動機づけが弱い

『ICO』(2001)『ワンダと巨像』(2005)に続く、上田文人監督の第3作。いくらなんでも11年のブランクは長い。発売すると聞いても信じず、実際に流通してさえ疑っていた。そんな気持ちだったせいか、満足度はいまひとつ。そりゃ絵はきれいだし、ギミックは凝ってるし、少年とトリコの関係を微笑ましくは思う。でもちょっと古い感じがする。2009年あたりに発表されたら印象がちがっていただろうな。

なにが不満かって、ストーリーがわからない。少年はどこのだれで、ここでなにをしていたの? ここはどこで、少年に帰るところはあるのか? なぜ少年は人喰いの大鷲を恐れないのか? トリコを鎖でつないだのはだれか? ゲームを進めればいろいろわかるが、同時に疑問も増えていく。大鷲はなぜ人(選ばれし者)を運ぶのか? 角と翼がもどったらトリコも凶暴化するのか? 鎧の大鷲も雷撃を当てれば正気に戻るのか? 「大鷲の巣」はだれが、なんのために作ったのか? 樽は人間を加工したもの? 結局、わかったことより、わからないことの方が多いまま終わる。釈然としない。
「事細かに説明せず、プレイヤーの想像に委ねる」なんて言い訳は通用しない。『ICO』や『ワンダ』も説明は最小限だったけど、十分に楽しめた。『トリコ』は、ストーリーの方向性が見えないから、説明がないと没入できない。もし説明を最小限にしたいなら、たとえば「病気の母親を助ける薬草を探している」とか、「さらわれた妹を助ける」といった動機づけをすべきだろう。

少年が大鷲と協力しながら探索する──。
キーイメージは悪くなかったが、それだけじゃ足りない。時間をかけたことで、練り込み不足が目立ってしまった気がする。

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