日向山で見たカタクリの花
2005年 埼玉県 花 花:カタクリ『あしがくぼハイキング』の目玉は、カタクリの花を観ることだった。
日向山北側の斜面は、カタクリの自生地として有名なのだ。とはいえ、私はカタクリの花を知らなかった。なのでこの日記を書くために勉強した。調べてから見る方がよいのだが、当分は、見てきたものを調べる方式で学ぶことになるだろう。
※カタクリの花:日向山北側の斜面へ
カタクリの花
カタクリはユリ科の多年草。山野や林の斜面に群生する。別名(古い名)はカタタゴ、カタゴ。うつむくように咲く花を、傾けた籠にたとえたことに由来する。
2枚の葉のあいだから、すーっと伸びる茎。その先に美しい、紅紫色の花を咲かせる。下向きに、花弁を反り返らせるように咲くのが特徴。鱗茎にはでんぷんが多く、かつては球根から片栗粉が作られていた(現在はジャガイモが主流)。乱獲されて絶滅の危機にあるらしい。
※カタクリの花
種子から開花まで7~8年かかる。育成には特殊な自然環境が必要。
カタクリには葉が2枚にならないと咲かない。また、温度や光に敏感で、日が暮れると花を閉じてねむってしまう。昼間でも、冷たい雪や雨がふるとたちまち花を閉じてしまう。
5~6月になると、地上から姿を消して、長い休眠に入る。自分より優位にある高木と争わず、早春に咲いて1年分のエネルギーを蓄えてしまうそうだ。このような植物を、スプリング・エフェメラル(春の短い命)と呼ぶ。
花言葉は「初恋」。
うつむき加減に咲く花姿や、その生態から連想されたのかもしれない。
※カタクリの花:うつむくように咲く
やはり、素性を知っていると感動がちがうね。その佇まいに、「可憐だ」とかつぶやいてしまうよ。知らなければ、「スミレかな?」とか思っていただろうね。
撮影はたいへんだ
さて、このカタクリの花だけど、写真を撮るとおもしろい。
カタクリの花は、北側の斜面で下向き(谷側)に咲く。なので自分より高い位置にある花を見上げるように、地面すれすれにカメラを構えないと撮影できない。
そこまで努力して撮影したら、逆光に透けた花びらの中に、桜のような模様が見えた。
※カタクリの花:密標
これは密標(みつひょう)と言うそうだ。虫たちに密のありかを教えるためのものらしい。写真を撮ろうとしなければ、こんな模様には気づかなかっただろう。
まぁ、ほんとに小さなことなんだけど、ちょっと感動したのさ。