セカイカメラ / 見えないものを見る

2009年 科技 Apple iPhone
セカイカメラ / 見えないものを見る

セカイカメラがApp Storeで一般公開された。

さっそくダウンロードして使ってみる。『電脳コイル』であこがれた拡張現実(AR:Augmented Reality )の世界が、こんなにも早く手に入ろうとは! しかし実際に試してわかったことは、この分野の開発はまだ始まったばかりだという現実だった。

いちばんショックだったのは、私が所有するiPhone 3Gにはコンパスがなく、方角が再現されないこと。カメラの向きは手動で調整するわけだが、気づくのにだいぶ時間がかかった。傾きセンサーで水平は認識されているのは奇妙だった。

エアタグも少ない。と思ったが、都内に出るとやっぱり多い。地域ごとの差が大きいな。秋葉原なんかはユーザー登録タグが多そうだ。
画像認識しているわけじゃないので、その方向にあるものすべてが見えていることがいいのか悪いのか。なかなか微妙。

たとえば町を歩いていて、気になったビルの名前をセカイカメラでチェックするかというと、現時点ではGoogle Mapの方が早いし、正確だ。ぼんやり見るには電池消費と画像ブレ、そしてiPhoneを手で持つ疲れがネックになる。内蔵型ヘッドマウントディスプレイがほしい。

というように、セカイカメラは期待したほど高性能ではなく、ぜんぜん「使えるツール」ではないのだが、このアプリが示した可能性は大きい。なにが課題で、どう解決すればいいか。まさに見えないものが見えるようになったと思う。
ここまで来れば、あとの進化は早そうだ。