仕掛人・藤枝梅安 (豊川悦司) Shikakenin Fujieda Baian

2023年 日本映画 3ツ星 #必殺 時代劇

詰め込みすぎか。

豊川悦司の梅安はかっこいい。おいしいものを食べ、ユーモアがあるが、やるときはやる。声が響く。交際相手がいるのも安定感がある。
しかし物語は抑揚がない。いろんなことがあっちこっちで進行して、主題がわからなくなった。たくさん食べて、たくさん殺したけど、なにが報われたのだろう。主題を絞ると映画の尺が余るのかもしれないが、134分も使って、なんの話かわからないのは本末転倒だ。

ラスト、相棒の彦次郎(片岡愛之助)が炬燵で寝るシーンがいちばん緊張した。何事もなく夜が明けて、旅が始まると、あの緊張感はなんだったのか戸惑ってしまう。

仕掛人が起こり(依頼者)と接点を持たないことが、問題をややこしくしている。とはいえこれは原作通りだし、この仕組みによってドラマが作られている。映画では、そこを掘り下げないため、無駄な殺しが増えているように見えてしまった。


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