[レビュー2008年12月06日に発表された 

斬 -KILL- KILL

チャンバラ 電脳 @押井守
更新日:2020年09月10日(木) 22:07 [Edit]

押井守ブランドなのだが......

 チャンバラをテーマにした4本のショートームービー。押井守が監修してるのだが、期待した痛快じゃなかった。

第1話 『キリコ』

監督・脚本・撮影・編集:辻本貴則/出演:森田彩華、山口祥行

[感想] 定規でまっすぐ線を引くように、一気呵成に進んでいた物語が、最後の最後で異物に引っかかる。ヒネリがあっておもしろいのだが、ちょっとやり過ぎのような。ハードリベンジにはじまり、ハードリベンジに終わった感じ。これは監督の個性だから、監修しようがないな。

第2話 『こども侍』

監督:深作健太/出演:山﨑バニラ、溝口琢矢

[感想] 趣向を凝らしているわりに、おもしろくない。ただ刀を振り回せばいいってわけじゃないが、教訓めいたことを言われても困る。その場しのぎだから、説得力ないし。刀をさやに収める英断より、ずっと我慢していたサムライが鯉口を切る瞬間に興奮したい。チャンバラがテーマなのだから、企画段階であらためてほしかった。

第3話 『妖刀射程』

監督・脚本:田原実/出演:石垣佑磨、辻本一樹

[感想] 4本中、もっとも痛快な作品。銃の射程をもった太刀のアイデアは新鮮。装填や排莢アクションもいい。本差と脇差の組み合わせが意味をもつラストも圧巻だ。なんだけど、野暮ったいところもある。明治末期からの流れはややこしい。現代の自衛隊員の対決でいいのに。妖刀のデザインもいまいち。太刀が刺さっていた岩は、下品なものに見えちゃう。惜しまれる点はあるが、おもしろかった。

第4話 『ASSAULT GIRL2』

監督・脚本:押井守/出演:藤田陽子、菊地凛子

[感想] いちばん短く、いちばん意味不明だった。『ASSAULT GIRL 2』のルシフェルが出てるけど、Avalon(f)が舞台なのかもわからない。『ASSAULT GIRL』の短編を見たいと思っていたけど、コレジャナイよ。両手を拘束された状態で、戦車も両断できる剣士と対決するのは無茶であり、その無茶をひっくり返すだけのリアリティが、彼女たちのアクションにはなかった。また、そんな戦いをするだけの理由もわからないので、どうしようもない。

 それぞれの監督が好き勝手にやっちゃった感じ。子どもが散らかした部屋を見て、やいのやいのと騒いだところで、どうにもならない。その場は反省しても、チャンスがあればまたやるだろう。そんなオムニバスだった。

 さておき押井守には、刀剣より銃器が合っていると思う。次は『射 -SHOOT-』を作ってほしい。

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