ゼロの焦点 (広末涼子主演) Zero Focus
2009年 日本映画 2ツ星 ドラマ 探偵主人公がもっともナゾだった
- 以下、ネタバレ -
禎子(広末涼子)の気持ちがわからない。憲一の過去を知って、どう思ったのか? 同じ女として、佐知子、久子に同情するところはなかったのか? さかのぼれば、憲一は禎子にどんな未来を夢見たのか?
出だしは感情移入できたのに、気がつくと内面が見えなくなっていた。
ラストにおける禎子の発言は、みんなの努力をぶちこわした。「未来を奪った」と言うけど、なにが奪われたのか? 苦労知らずの小娘じゃないか。佐知子を許せば、憲一を愛してなかったことになる。未亡人として生きていくために、愛していた証拠(=復讐)を求めたのかもしれない。そう解釈すると劇的だが、まぁ、考えすぎだろう。
21世紀に生きる私たちにとって、昭和32年(1957年)は遠い。本作は時代背景や当時のメンタリティを細かく再現しているが、主人公の気持ちだけ、ぽっかり抜け落ちている。いっそ現代を舞台にした方が感情移入しやすかったかもしれない。
あと個人的な好みになるが、広末涼子に貞淑な妻のイメージがなかった。