嵐を呼ぶ男 Man Who Causes a Storm

1957年 日本映画 4ツ星 ドラマ

「荒削りね。でもなにかあるわ!」

石原裕次郎が亡くなったのは1987年で、私は16歳だった。私にとって石原裕次郎は『太陽にほえろ!』のボス、それだけだった。石原裕次郎の全盛期映像を見るのは、ずっとあと。本作を鑑賞したのは2022年である。

1957年の日本は、どこでロケしたのかと思うほど異世界だ。行き交う人々の気質もちがう。それが映画定番の演出なのか、わからない。

タイトルが示すとおり、だれも石原裕次郎を無視できない。あるものは愛し、あるものは拒絶し、あるものは託し、あるものは希望を託す。劇中で示される能力や資質では説明できない。運命に選ばれている。石原裕次郎を売り出すために作られた映画で、それを隠さないのは痛快だ。わかっていても興奮する。夢を見せてくれる。

そして結末がいいね。素晴らしい。
視聴者も石原裕次郎を放っておけない。

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