9 / 9番目の奇妙な人形 9

2009年 外国映画 3ツ星 ロボット:自律型 人形 文明崩壊後

目覚めると、世界は終わっていた──

なんて鮮烈な世界観。個性的で、表情が豊かな人形たち。人類はなぜ滅びたのか? 人形たちはなんのために作られたのか? 瞬く間に私は魅了されてしまった。
……が、興奮は長くつづかなかい。状況はさっぱりわからず、9の行動にも賛同できなくなる。釈然としないままラスト。うーん。
いろんな解釈は可能だが、そういう楽しみ方を期待したわけじゃない。とどのつまり、物語や設定より、雰囲気を優先したアニメだった。

しかし、その雰囲気が格別だから困る。希望があるよう見えるラストも、よくよく考えると行き詰まっている。本作が童話だとしても、子どもたちに夢を与えるようなものじゃない。これは頭で考えたと言うより、身からしみ出たものなのだろう。

あとで、ティム・バートンを感動させたオリジナルの11分を見てみたが、納得できた。どうせ輪が閉じないなら、短い方がいい。中編に作り直したのは失敗だったと思う。

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