トゥモローランド Tomorrowland

2015年 外国映画 3ツ星 SF タイムトラベル ロボット:自律型 電脳

構造的に弱い。

プロット

 「トゥモローランド」と呼ばれる別次元は、地球の優秀な頭脳を集めていた。1964年にスカウトされたフランクは、未来を正確に予知する装置「モニター」を開発した。しかし地球が滅亡する未来が確定してしまったため絶望し、トゥモローランドから追放された。
 ロボット・アテナは未来を変える人材としてケイシーをスカウトする。ケイシーはモニターが滅亡する未来を引き起こしていると見抜く。トゥモローランドの総督は地球人は危険とみなし、あえて滅亡する未来を放置していた。ケイシーとフランクは、アテナの犠牲によってモニターを破壊した。
 トゥモローランドは新たな未来を創造するため、ふたたび「夢見る人」のスカウトをはじめた。

 序盤はおもしろい。なにが起こっているのか? ハラハラ・ドキドキ見てしまう。しかし映画の半分過ぎても状況が見えず、没入感は失われていく。ケイシーがわめくばかりで、危機的状況を打破してくれる期待感がないのもつらい。
 状況がわかると、さまざまな疑問が噴出する。なんのため妨害されたの? 悪いのは総督じゃないの? トゥモローランドは人類の未来じゃなかったため、異次元人による攻撃にしか見えない。

 そして最後になっても、ケイシーに聡明さを感じない。アテナのお別れもあざとい。どうでもいい。
 ラストは希望があるように見えるが、ぶっちゃけ異次元が地球の才能を奪っているだけ。それでいいのか? と首を傾げてしまう。

 ピンバッチのエフェクトはかっこいい。使い方はよくないが。時間静止手榴弾とか、血糖を失う転送装置など、個々のアイデアはおもしろいが、AAとのチェイスも、パリを経由した次元転送も、本筋に関係ない。そうした冒険アクションがあってもいいが、ケイシーの魅力と才能がなければ意味がない。

 天才たちを集める「プルス・ウルトラ」は、『ネバーランド PART1 ピーター・パンと魔法の石』 2011を思い出した。天才たちが集まれば、すごいことが起こるのではないか。これも他力本願な幻想だけどね。

ページ先頭へ