女の一生 Une vie

2016年 外国映画 3ツ星 ドラマ 文学・古典・童話

しっかり描かれているが、これで伝わるか?

モーパッサンの長編小説を映画化。おおよそ原作通りに展開するが、映像で見ると不幸のインパクトが強まる。と同時に、ジャンヌの思慮不足が痛々しい。とりわけポールのため破産するくだりは、ジャンヌ自身に苛立ってしまう。もっと賢く生きろよと。

この物語のキモはロザリ最後のセリフだが、じつにあっさり。ジャンヌの耳に届いたかどうか。意味を考えるまもなくエンディング。このセリフのためストレスに耐えてきたのに、解放感がなかった。どう演出すればよかったという意見もないが。

ジャンヌの希望に満ちた時代は少なく、ただ苦難に耐えるばかりの人生に見えてしまう。無垢・善良ゆえに好感をもてる演出があれば、印象が変わったかもしれない。

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