蜜のあわれ Mitsu no Aware

2016年 日本映画 3ツ星 ファンタジー 文学・古典・童話

「孕んだ責任をまっとうしたまえ!」

室生犀星が私生児であったことや、老いても性欲旺盛だったこと、芥川龍之介に干物と称されたことなどを踏まえると、映画の印象がだいぶ変わる。逆に、なにも知らずに見ると悲哀も滑稽も通じないのではないか? まぁ、私自身も知らないことは多いが、室生犀星の人間的背景は、どっかで語ってほしかった。

死と税金からは逃げられない。
不幸にさえなれなかったもの。
生きていたころから幽霊だったのかもね。

金魚の赤子のイメージ・言動は、原作に忠実だが、時代背景とのギャップがあまり生じてないように思う。いっそ、現代人のような言葉遣いをさせたほうが、しっくり来たかもしれない
幽霊の容姿、歩かない演出はよかった。金魚売りはもっと踏み込んでほしかった。

悪くはないが、ちょっと物足りない映像化だった。

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