流されて... Travolti da un insolito destino nell'azzurro mare d'agosto

4ツ星

「助けを呼ばずに隠れたわ！」

マダムと使用人が無人島に漂着。主従が逆転し、倒錯した関係にふける。官能小説のような状況だが、エロティシズムは多くないし、主題でもない。エロを期待したら落胆するだろう。

男は高慢な女を凌辱し、支配することを喜ぶ。女は野卑な男に凌辱され、支配されることを喜ぶ。しかしふたりの関係は特殊な状況によるもの。女はわかった上で破滅を選び、男はわかってないから破滅を選ぶ。結果、ふたりの関係は終わった。互いに未練を残しつつ、それぞれの日常に戻っていく。

男より女が冷淡？　そうかもしれないし、そうでないかもしれない。なにが芝居で、なにが真実か、問うのは野暮だろう。100万リラの手切れ金は、女の真心だったと思うが、それ以上を考えてはいけない。
ふたりとも、どうかしていた。それだけのこと。

おもしろかった。