【ゆっくり文庫】O・ヘンリー「賢者の贈り物」 The Gift of the Magi (1905) by O. Henry
2013年 ゆっくり文庫 O・ヘンリー アメリカ文学 ファンタジー004 贈る悦び、贈られる悦び──
デラとジムは貧乏夫婦。クリスマスにデラは自慢の髪を撃って夫へのプレゼントを買った。果たして夫はプレゼントを気に入ってくれるだろうか?
原作について
オー・ヘンリー
(1862-1910)
原作では、この愚かな夫婦こそ最高の賢者であると著者が結論づけるんだけど、いささか唐突な印象を受ける。賢者=頭のいい人ではなく、東方の三賢者のように「最高の贈り物をした人」という意味なんだろうけど、わかりにくい。キリスト教圏ではすぐわかるのだろうか。
そこで、なぜこれが悲劇じゃないかを劇中で明示することをテーマに翻案した。あれこれ考えて、もし片方が大事なものを売らず、ただプレゼントをもらうだけだったら、悲劇だったことに気づく。ふたり同時に、同じ選択ができたことは、まさに奇跡のような幸運だった。最高の贈り物を受け取るより、それがなにかわかる方が幸せなんだ。
髪じゃなくて身体を売るという選択肢も考えてみた。現代風アレンジになるかと思ったが、ふたりは結婚によって互いが互いを所有しており、売ってよいのは結婚前からもっていた髪と時計だったと気づく。こうやって分解すると、ストーリーがとても深いものに感じられてうれしい。
デラが水商売の誘惑があったように、ジムにも試練があったと思うが、そこは描かなかった。
デラは強気と弱気が混在する女の子にした。やると決めたらやるが、やったあとに不安になるタイプ。言動に一貫性がないように見えるかもしれないが、より人間らしくなったと思う。
動画制作について
短すぎるかなーと思ったが、初稿は15分オーバー。地の文(霊夢の声)が多いと単調になるため、会話パートを増やす。ジムの出番も遅すぎるので、出勤シーンを追加した。
第3稿で12分くらい。まだ冗長だったから、セリフを減らし、間を削って、9分ちょいに納めた。プロジェクトを分けておいてよかった。「葉桜と魔笛」もシェイプアップしたいが、面倒だ。
AviUtlで結合しやすいよう、暗転の前後に塗りつぶし背景を敷いた。塗りつぶし背景はAviUtlでやるべきと思っていたが、ゆっくりMovieMakerで指定するほうが楽だ。それから背景に場所を書くようにした。朗読としては反則だけど、イメージしやすくなったと思う。写真を用意できればいいが、手が回らない。
髪を切った魔理沙は輝夜(かぐや)の髪の色を変えたもの。最初、森近霖之助(こーりん)を加工したんだけど、相方も森近霖之助だったので変更した。森近霖之助の金髪バージョンは、「人魚姫」で再利用した。デラの髪の長さ、美しさを強調したかったけど、ゆっくりは饅頭なのであきらめた。MMDモデルを使えればと思うが、それをやっちゃうとキリがないんだよね。
さて、次はなにを作ろうか。