レビュー  2011年04月15日  に発表された 

恐怖ノ黒電話

3ツ星

最後だけ納得しがたい

ストーリー(結末まで)

暴力を振るう夫(スティーブン)と離婚したメアリーは、古い一軒家を借りて新生活をはじめた。あるとき、知らない女(ローズ)から間違い電話がかかってきて、つい話し込んでしまう。ローズが彼氏に暴力を振るわれていると聞いて、メアリーは「殺しちゃえ」と助言する。後日、ローズはそのとおり実行したといい、ローズを慕うようになる。

話の食い違いから、ローズが30年前この家に住んでいたことがわかる。本来ならローズは自殺していたが、メアリーの助言で歴史が変わってしまったのだ。メアリーの恋人候補のジョージは、地下室を掘って死体を確認しようと言うが、メアリーに反対される。
メアリーを孤立させたいローズは、少年だったジョージを誘拐。さらにメアリーに30年前のことを教える管理人も殺害した。メアリーは地下室で死体を確認し、ローズを罵倒するが、ローズは少女メアリーに熱湯を浴びせた。すると現代のメアリーにも火傷があらわれ、ローズに逆らえなくなる。

メアリーはボウリング場の火災でローズを殺そうとするが、失敗。ローズは少女メアリーを誘拐し、人質にする。さらに現代のローズがメアリーを殺しにやってきた。追い詰められたメアリーは、少女メアリーにローズを殺させる。

人を殺した経験を思い出したメアリーは、家に入ってきたスティーブンを殺害し、地下室に埋めた。

過去と話すことによって現代が変わるプロットがおもしろい。過去の自分を人質にとられるシーンは怖かった。先んじて鑑賞した『LOOPER/ルーパー』(2012)を思い出す。
しかしメアリーの人格描写が足りない。最後の変化を強調するなら、「脅されるとすぐ言いなりになる」「物事を決められない」「被虐嗜好がある」といった側面を描くべき。だからこそスティーブンやローズがつきまとい、かつ油断したわけだし、メアリーが軽率に個人情報を話したり、たやすくジョージの庇護下に入ることも説明できたはずだ。

クライマックスで、30年待ったローズが乗り込んでくるのも唐突だ。するとローズは、引っ越してきた時点からメアリーを補足していたことになる。ならば「不審者につきまとわれている。夫かと思ったがちがう」というプロットを加え、ローズに相談するのもおもしろかっただろう。
また現代のローズは、襲撃の結末を(電話を通じて)知っていることになる。「おまえはここで死ぬ。私の鉈でおまえが息絶える音を、私は30年前に聞いているんだ。」と言えば、絶望感が増しただろう。

惜しまれる点はあるが、なかなか楽しめる一本だった。

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