仁義なき戦い Battles Without Honor and Humanity

1973年 日本映画 2ツ星 任侠映画

正直、感性が合いません

ニコニコ動画の菅原文太追悼上映会で鑑賞する。名前は知っていても、見るのは初めて。津島利章作曲によるテーマ曲を聞き、ここが原典だったことを知って驚く。テレビのコミカルなシーンで聞いてばかりだったから、反射的に笑ってしまった。

実際に起こった広島抗争を題材にしているそうだが、2014年の感性で見ると、幼稚な暴力の応酬にめまいを起こしそうになる。詰めた指がニワトリ小屋まで飛んでいくシーンは、演出意図がわからなかったが、実話にもとづいているそうだ。なんと言っていいか、わからない。

菅原文太は肩で風切るヤクザを体現しているが、かっこいいと思うより、粗暴すぎて近寄りがたい。私にとって菅原文太は『サムライジャック』のアクー様だったので、若き日の姿はギャップが大きかった。

ヤクザ同士、強い絆で結ばれているわけじゃない。ゆずれない信念や、守りたい人がいるわけでもない。ただ意地を張って、不器用に殺し合っているだけ。高倉健のヤクザ映画とは、だいぶ印象が異なる。正直、おもしろいとは思えなかった。

ページ先頭へ