レビュー  1978年07月08日  に発表された 

白い人魚の美女 / 江戸川乱歩の美女シリーズ#04 『緑衣の鬼』より
Shiroi Ningyo no Bijo / Edogawa Ranpo no Bijo Series

2ツ星

逃げる明智、追いかける文代

あらすじを書こうと思ったが、穴だらけなのでやめた。要するに人妻・芳枝が、「緑衣の鬼」という怪人に襲われ、明智が守るのだが、じつは芳枝と怪人はグルで、夏目財閥の遺産を奪うための芝居だった、というのがプロット。しかしわざわざ明智を巻き込んで警護させる必然性はないし、明智を悩ます密室トリックも自作自演のにおいがプンプンするしで、とにかく粗い。緑衣の鬼に特筆すべき変質性がないことも、興味をしぼませる。

一方、芳枝のあからさまな誘惑は楽しい。明智はホイホイ美女を追いかけるが、言い寄られると弱腰になる。なんもしてないのに、「精神的な浮気」として文代に嫉妬される。本作で文代は芳枝に、明智先生が好きだとはっきり宣言している。なかなか挑戦的だ。

ラスト、追い詰められた犯人は毒を飲んで水槽に飛び込む。芳枝も呪いの言葉を吐いて、水槽へぼちゃん。電流が流れているとか、ピラニアがいるわけじゃないのに、だれも助けようとしないのは、妙に笑える。毒を飲んで窒息死とか、そーとー苦しみそうだが、
「恐ろしい人だったけど、死に顔は美しいわ。静かで」
と文代がつぶやいて終了。無茶苦茶だけど、こうでなくっちゃね。

とにかく文代の嫉妬に癒やされるエピソードだった。

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思考回廊 レビュー
白い人魚の美女 / 江戸川乱歩の美女シリーズ#04 『緑衣の鬼』より