朝三暮四のどこが悪いのか

2007年 政治・経済 仕事 教育 海外 考え事
朝三暮四のどこが悪いのか

朝三暮四(ちょうさんぼし)

意味:

  • 目先の違いにとらわれて、全体に気づかないこと。
  • 知恵のある人が、知恵のない人をまるめこむこと。

解説:

むかしむかし、中国に猿好きのお爺さんがいた。お爺さんは猿たちにドングリをやっていたが、貧乏になったのでドングリを減らすことにした。お爺さんはまず、こう言った。
「おまえたちに与えるドングリは朝は3つ、夕方は4つにするけど、足りるか?」
すると猿たちは怒り出したので、お爺さんは言い換えた。
「それじゃ、朝は4つで、夕方は3つにしよう」
これを聞いて猿たちは喜んで、おとなしくなった(なんて愚かなのでしょう)。

疑問:

学校で教わったときから疑問だったんだけど、猿ってそんなに愚かだろうか? もらえるものが同じなら、早くもらった方がいい。たとえば昼に死んじゃうとしたら、朝4つ食べた方がオトクだよね。

あるいは、こう言い換えてみよう。
「おまえたちの給料は、若いときは3つ、歳をとったら4つじゃ」
と言われて腹を立て、
「それじゃ、若いときは4つで、歳をとったら3つにしよう」
と言われて喜ぶのは、当然のことじゃない?

未来の約束なんて信用できない
年金だって、昇給だって、ローンだってそうだ。
「前借りするなら総額を減らす(朝は4つ、夕方1つ)」というなら考えるけど、そうじゃないなら朝7つが正解だと思う。

1日10個だったドングリが7個に減ったことに猿が気づいてないのかな?
でも、もらう立場じゃ文句も言えない。もらえるものはもらって、残り3個は自分で見つければいいじゃない。朝7つもらっていたら、夕方は別行動できるしさ。

まぁ、それはともかく……
未来の約束を信用せず、早めに多くをもらおうとした猿は、むしろ賢いと私は思う。