音楽を「買う」から「借りる」時代へ
2007年 科技 スーパーにて デジタル
またもやiTunesの話。
今年4月に親父が逝って、PCを引き継いだ。その中には、親父がiTunes Storeで購入した音楽データが含まれていた。私はiTunes Storeを使ったことがないのに、親父はちょこちょこ買っていたようだ。
iTunes Storeで購入した音楽データは最大5回までコピーできる。
親父のPCから自分のPCに移すところで、1カウント減った。
それを今回、iMac に移した時点でまた1カウント減った。
この調子で行くと、数年後には曲を聞けなくなってしまう。
私はPCの乗り換えが早いので、切実な問題だ。
iTunes Storeの音楽は、そういう制約を前提に売られている。その分、安いのかもしれない。突き詰めれば、音楽を買っているのではなくて、条件付きで借りているわけだ。
買った本が、本棚を動かしていると消えてしまうような話だ。
◎
近い将来、音楽は「買う」ものではなく、「借りる」ものになるかもしれない。
IPTVと同じで、コンテンツはつねにサーバにあって、ユーザーは好きなときに視聴できるが、完全に所有することはできない。この仕組みは、提供者とユーザー双方に新しいメリットをもたらす。
提供者のメリット
- 権利問題をコントロールしやすい
- 製造や流通のコストを大幅に減らせる
- マーケティング情報を集めやすい
ユーザーのメリット
- 費用が安くなる
- 部屋が狭くならない(棚に並べられる以上のコンテンツを購入できる)
- 媒体を壊したり、紛失することがない
これは音楽にかぎった話じゃない。
映像やコミック、アプリケーション、OSなど、デジタル化できるものすべてに適用できる。あらゆるデータにIPが割り振られ、一元管理される(=借りる)時代が訪れるのは、もはや時間の問題だろう。
現在の感覚では「窮屈」で「物足りない」が、感覚は慣らされていくからなぁ。