AIGボーナスベイビー vs 平民

2009年 政治・経済 海外
AIGボーナスベイビー vs 平民

経営破綻したAIGが、ふたたび幹部にボーナスを払うそうだ。

AIGのボーナスが問題になったのは2009年3月。オバマ大統領が「あらゆる手段を駆使してこれを阻止する」と批判してから、まだ4ヶ月しか経ってない。よくよく繰り返せるもんだ。

前回のボーナスは総計1億6500万ドル(約162億円)で、最高額は640万ドル(約6億6千万円)だった。年に数回あるボーナスのうち1回で、並のサラリーマンの生涯賃金を軽く上回るとは、どれほど有能な人材なのか? 「巨額のボーナスを払わないと、有能な人材をつなぎ止めておけない」とも言われるが、その有能な人材が会社を破綻させ、世界中の経済を混乱させた事実とはどう向きあうのか。
米メディアでは、こうした無責任な幹部を「AIGボーナスベイビー」と呼ぶそうだ。

「仕事をする才能」と「金儲けの才能」は、似て非なるものだ。
そしてAIGには、「金儲けの才能」に長けた人がいっぱい集まった。彼らは社会的な価値を生むことではなく、自分の給料を増やすことに注力した。その結果、会社が破綻してもボーナスがもらえる"仕組み"ができあがった。アメリカ経済を人質に税金を巻き上げるなんて、そんじょそこらの詐欺師にはできない芸当だ。

そんなアメリカの国債を大量に引き受けているのは日本なので、対岸の火事と笑ってはいられない。むしろ対岸にいるのに影響を受けているところが笑えない。困ったもんだ。

「仕事をする才能」と「金儲けの才能」は、似て非なるものだ。
そして「仕事をする才能」より、「金儲けの才能」の方が圧倒的に強くなっている。仕事をする1人が10人分を稼いでも、金儲けをする1人が9割を持っていってしまう。こうなると、「いい仕事をすれば、きっと世の中が認めてくれる」という美徳もむなしい。

それでも金儲けに興じるより、こつこつ働く方がマシだと言えるだろうか。


■AIG、幹部へのボーナス240万ドル計画
(読売新聞 - 07月11日 13:10)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=895310&media_id=20