金持ちこそ無駄遣いしろ

2010年 政治・経済 ゲーム 友人A 物欲
金持ちこそ無駄遣いしろ

「ちくしょう、金持ちは無料ゲームなんかやるな!」

遊びに来たA氏が、突然、声を荒げた。
最近、わが家は無料のオンラインゲームばかりやって、家庭用ゲームに興味を示さなくなっている。たまに買うけど、評判をよく調べて、廉価版を待つか、中古で買う。あるいはA氏に借りて済ませる。
情報収集に手間をかけ、支出は最小限に抑える、その「賢い消費者」ぶりが許せないというのだ。

A氏はゲーム業界で働いているのだが……かなり厳しいらしい。
とにかくゲームが売れない。大人気シリーズの最新作でも、あっという間に値崩れしてしまう。中堅メーカーの意欲作なんて、誰も見向きもしない。ゲームが売れなければ、おまんまが食えない。だからA氏は思う。

金持ちこそ、たくさんゲームを買え! 無駄遣いしろ!
いいじゃないか、クソゲーの1つや2つ、引き受けてくれたって!
ゲームにしても、漫画にしても、DVDにしても、たくさん買うのは貧乏人ばかり。
貧乏人が業界を支えているのに、金持ちは美味しいところだけつまんでいく!
ちっくしょー!
いろいろ誤解があるようだが、言わんとすることはわかる。
わかりましたから、落ち着いてください

金持ちはよく考えてから買う。無駄なモノは買わない。だから金持ち。
貧乏人はよく考えずに買う。無駄なモノを買ってしまう。だから貧乏人。

うちが金持ちかどうかは別にして、怒りの矛先を向ける相手がちがうだろう。

と思ったが、話はそう簡単じゃなかった。

誰かがB級、C級の作品を買わないと、業界がしぼんでしまう。A氏が賢くなればいいってことじゃない。なによりA氏は、無駄なモノを容赦なく買う自分を、まったく恥じてない

……根の深い話だった。


売れないゲームが売れない構造
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1095670&media_id=77

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