次世代自販機との出会い

2010年 科技 動画 社会
次世代自販機との出会い

 東京駅に顔を認識する次世代自販機があった。

 JR東日本ウォータービジネスが開発した自販機で、47インチ大型ディスプレイと顔認識センサーが搭載されている。近くに人がいないとディスプレイに広告映像を流し、人が近づくと商品表示に切り替える。そして利用者の性別と年齢に応じたおすすめ商品をプッシュするのだ。
 品川駅に試験的に設置されたと聞いていたが、ほかの駅にも置くようになったのか。

 47インチディスプレイはさすがに大きい。映像が流れると、否応なく目がいってしまう。こうしたディスプレイを使った広告媒体を、デジタルサイネージ(Digital Signage=電子看板)と呼ぶ。駅や百貨店、街角でよく見かけるようになった。十年前は想像もできなかった光景だ。

 自販機が人の接近や顔を認識するのも興味深い。夜、誰もいないコンコースを歩いているとギョロリと目が光って、「わぁ、こんな時間にお客さんだぁ」とかしゃべったらおもしろそうだ。
 センサーに記憶装置はないため、監視カメラのように購買者を識別することはできない。これも進化すれば、個人を識別して、その嗜好に応じたレコメンドをしてくるかもしれない。あるいはネットワーク化され、「もう2時間も水分を取ってないから、そろそろ一服しませんか?」と話しかけてくるかもね。
 自販機のネットワークは、おもしろいテーマだ。

 で、自販機に近づいてみたけど、性別・年齢に応じたレコメンドがない。缶ジュースの購入はできるようだ。センサーに映ってないのかと、自販機の前をウロチョロするが、変化はなかった。どうやら顔センサーが故障しているようだ。

 ロボットに会いに来たのに、ただの自販機でがっかり
 結局、なにも買わずに、その場を立ち去るのだった。