[アニメ] ジョジョ第2部 / ナチスをドイツに変える配慮がわからない
2013年 娯楽 アニメ 人権アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」を全26話を鑑賞した。
1~9話が第1部「ファントムブラッド」、10~26話が第2部「戦闘潮流」になっていた。あらためて物語の完成度に打ちのめされた。連載開始が1986年だから、当時私は15歳。アニメを見ながら、あのころの興奮を思い出したよ。
第1部では、ディオがジョジョに石仮面をかぶせたらどうなるんだとハラハラした。なのでジョースター邸の急展開は衝撃的だった。第2部だと、ワムウより先にエシディシと遭遇したり、郵送された赤石を追跡する展開にしびれた。ぜんぜん先が読めない。しかしながらページをみくると、これしかないと納得する。いやぁ、おもしろかった。
アニメとしては質が低い。絵はちっとも動かないし、冗長なセリフを詰め込むからテンポも悪い。立体の擬音表現も、第1部はおもしろかったが、第2部は手抜きに見えてしまった。とはいえ、へたにいじると原作ファンを怒らせるから、愚直なまでに原作通りに徹したのは、やむを得ない仕儀だろうな。
ちょいと気になったことがある。シュトロハイム少佐のセリフがおかしいと思っていたら、「ナチスドイツ」を「ドイツ」に言い換えていた。Wikipediaによると、自主規制したそうだ。
原作のPart2に登場していたナチス・ドイツについては、外圧の抗議を避けるため、BPOによる自主規制で、すべて単一のドイツ軍へ置き換えられている。そのため、ナチスに関連した台詞もそれに沿った内容へ変更されている。
漫画でOKだったものが、アニメでNGになるんだろうか? ナチスを敵にとして描いた作品なんて、たくさんあるぞ。『インディ・ジョーンズ』や『キャプテン・アメリカ』はどうなる?
ナチスは断罪された集団だから極悪非道に描いてもいいが、それを架空の組織ではなく、現在も存在するドイツ軍に置き換えるって、どうなのよ。メキシコで市民に狼藉を働き、捕虜を虐待したならず者集団がドイツ軍だって? それでいいの?
しかしまぁ、フィクションを攻撃するような連中に道理は通じない。わけのわからない連中ににらまれるくらいなら、ドイツ政府を怒らせる方がマシってことか。なんとも奇妙な話だ。原作付きのアニメにも自主規制がつくとしたら、オリジナルのテレビドラマはさぞや多くの配慮が求められるだろうな。テレビがつまらなくなるわけだ。
それはさておき、駄目だと思っていたジョジョのアニメ化は、意外と楽しめた。原作のよさが強調される結果だったが、これはこれで問題ない。久々に漫画を読み返してみたい。