安全を監視する連中が危険すぎる件について

2011年 科技 人権
安全を監視する連中が危険すぎる件について

 フクシマの原発事故は、日本の安全管理の杜撰さを暴いてしまった。

 なかでも、SPEEDIの情報が今さら公開されたことに驚く。SPEEDIは緊急時の放射能の拡散予測を伝えるためのもの。それが70日以上経ってから、こっそり公開されるなんて。おまけに「過去」の予報を見ると、放射線の低いところから、高いところへ避難指示が出されていた
 政府や保安院は、なぜ情報を隠したのか?

 「正確じゃなかった」
 「誰が公開するか決まっていなかった」
 「文科省が公開すると思っていた」
 「公開しろと要請されなかった」
 「公開すると国民がパニックになるから伏せておいた」

 信じられない弁解をする人たち。枝野官房長だけ「知らなかった」と言っているが、あんたが知らない(報告されない)のは問題だろう。こんな連中が原発の安全を監視していたのか? 恐ろしい。恐ろしすぎる。

 ERSS(緊急時対策支援システム)、SPEEDI (放射性物質拡散予測)、WSPEEDI(第2世代SPEEDI)は、数百億ものカネが投じられながら、まったく役に立たなかった。機能しなかったわけじゃなく、使いこなせなかった。情報を見た人はたくさんいたのに、「国民の生命と財産をおびやかす情報は速やかに公開すべき」という原則が身についてなかった
 この問題は、どんなシステムにも解決できないだろう。

 5重の壁、作業員被ばく量限度の法律、作業場の安全確認システム、災害ロボット……。安全の根拠とされていた「緊急時の備え」が、まるで役に立たなかった事例は多い。ここまで連続すると犯罪的だが、誰かが罰せられることはないだろう。だから改善の見込みもない。
 むしろ、緊急時に責任を押しつけられないよう、わざと複雑な体制にしているのかもしれない。頭のいい人が保身のために作った「緊急時の備え」は、ばっちり機能している。うわああああああ……。

 エネルギー政策として、原子力発電は不可欠だ。しかし日本人に無理。今後、防潮堤を大きくしたり、監視システムを見直したりするだろうが、それを扱う管理者が成熟しなければ意味がない
 事故が起きたことより、その被害予測を隠したり、隠していたことを悪びれない気質は致命的に駄目だ。
 日本の原発は、「子どもの火遊び」だった。

WSPEEDI(第2世代SPEEDI)の情報がやっと公開されました
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1602176&media_id=85