La notte

1961年 外国映画 4ツ星 ドラマ 恋愛

有閑マダムのメランコリー。

ストーリー

リディアはとうが立たった美女。作家のジョヴァンニと結婚したが、以前のように愛せない。夫の浮気にも気持ちが揺れない。夫の親友であり、かつて自分を愛してくれたトマゾが死ぬ。リディアは夫に別れたいと言うが、反対され、押し倒されてしまう。
(おわり)

やー、なんとも言えない作品だね。リディアの倦怠はよくあるもので、共感できない。愛情が枯れたなら、趣味にふければいい。街を歩けば発見があり、出会いがある。虚無感にさいなまれるのは彼女個人の、内面の問題でしかない。

ジョヴァンニの浮気は肯定できないが、浮気する理由の一端はリディアにあるだろう。事実、リディアが拒絶するとジョヴァンニは燃え上がった。しかもリディアは拒絶しない。もうね、好きにしなさいって感じ。

「なんでもない話」を描くのは難しい。リディアの動きは活発だけど、こころは不活性。それをセリフなく行動で表現できているのはすごい。

トマゾの話をもっと聞きたかった。「なにもかも中途半端」というセリフが耳に残る。ジョヴァンニが席を外せば、リディアになにか言ってくれたかもしれない。まぁ、そう思わせるため、セリフが少なかったのかもしれない。

あと60年代イタリア(ミラノ)の情景が興味深かった。音声ガイド付きエレベーター、リノリウムの床、開いた窓から見える高層ビル...。

それなりに楽しめたようだ。

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