呪詛 Incantation

2022年 外国映画 4ツ星 カルト ホラー モキュメンタリー 幽霊

藍より青し!

台湾発のホラー映画。監督はJホラーのファンらしく、どっかで見た構図が散見される。が、うまく調理されている。Jホラーは死滅したが、その精神は海外に受け継がれた。うれしいような、かなしいような。

台湾の情景がよい。もうひとつの昭和というか、かつて日本にあったものが残ってるような、不思議な既視感がある。そう感じるだけで、台湾やアジアの因習とは関係ないが、「それっぽい」ってのは大事。

プロット

(6年前)
主人公ルオランと宗教施設を破壊し、呪いを受ける。
彼氏アードン、その弟アーユエンが狂死する。
ルオランはカメラの映像を警官に見せるが、拳銃自殺。
ルオランは呪文の意味を知る。(ラストシーン)
ルオランの両親が交通事故で死ぬ。
ルオランが娘を出産。本当の名前は伏せて、ドゥオドゥオと名付ける。
ルオランは呪術的防御を試みるが、精神異常とみなされ親権を失う。

(現在)
ルオランは精神科医の助言から、呪いを拡散することを決める。
ルオランはドゥオドゥオを引き取る。
怪奇現象が相次ぐ。託児所の先生が死ぬ。
呪詛返し(七日間の断食)に失敗する。
ルオランは施設に潜入し、《仏母》を撮影する。

(その後)
視聴者へのメッセージを録画する。(冒頭のナレーション)

モキュメンタリーに意味がある!

POVスタイルは「素人がたまたま撮影したもの」という体裁だから、都合よく機材を配置するとか、落としたカメラが被写体をフレームに収めるとか、z年力で逃げる場面でも撮影を止めないとか、不自然さが出てしまう。
しかし本作の主人公には我が身より撮影を優先する事情がある。それがわかると、気になっていた不自然さは吹っ飛んだ。うまい。

右回転、左回転か

世界は見方によって変わる。これまで何度も耳にした言葉だが、本作ではいろいろ考えてしまった。本題の呪詛だけじゃない。グロテスクなシーンを見せられているのか、見ているのか。嫌悪してるのか、楽しんでいるのか。

二度見て首をかしげるシーンや、退屈に感じるところもあったが、二度見たくなる映画だったことはまちがいない。

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