レビュー  1953年07月29日  に発表された 

宇宙戦争 (ジョージ・パル監督)
The War of the Worlds

5ツ星

これぞ映画

あらすじ

世界各地に落下した隕石は、火星人の宇宙船だった。神父の平和的な呼びかけも虚しく、宇宙船の攻撃がはじまった。海兵隊が応戦するが、まったく歯が立たない。
混乱の中、物理学者のウォレスター博士とシルヴィアは、空き家となった農家に逃げ込む。そこでふたりは火星人の姿を目撃する。

後世の作品に多大な影響を与えた傑作SF。本作のヒロインを強くすると『エイリアン』(1979)に。理想的に描くと『E.T.』(1982)に。タカ派に傾くと『インデペンデンス・デイ』(1996)に。ハト派に傾くと『マーズ・アタック!』(1996)に。宇宙人の知能を下げると『第9地区』(2009)に。戦闘に特化すると『世界侵略: ロサンゼルス決戦』(2011)になる。

子どものころに見て、40歳になってから見なおしたけど、おもしろさは色褪せていなかった。アクロバティックなカメラワークはないが、構図がうまい。壁に映る影、一瞬だけ見える異形、背後に迫ってアップ。これ以上考えられないほど洗練されている。
宇宙船や機動兵器のデザインも素晴らしい。子どもにも描けそうなほどシンプルだが、不気味で、妙なリアリティがある。これに似たデザインを考えるのは容易じゃない。究極と言ってもいい。

ストーリーもわかりやすく、痒いところに手が届くようだ。パニックになって我先に逃げ出す人々と、教会に集まって静かに祈る人々の対比がよかった。火星人の敗退は科学で説明できるが、神の共済と思いたくなる。科学を否定しているわけじゃない。ただ、謙虚でありたい。そうしたメッセージが強すぎないことも嬉しい。

トム・クルーズの『宇宙戦争』(2005)も、本作を踏まえて見ればおもしろい。逆に本作を知らなければ、なんだそりゃ? と首をかしげるだろう。映画には歴史があって、古典を知れば知るほど新しい作品が味わい深くなる。

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宇宙戦争 (ジョージ・パル監督)