レビュー  2017年04月25日  に発表された 

フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと / What Remains of Edith Finch (PC)
What Remains of Edith Finch

3ツ星

ゲーム、なのか?

一人称視点のアドベンチャーゲーム。選択肢、戦闘、トラップ、謎解き、探索要素なし。次のステージ(部屋)に移ると、着た道をもどることさえ不可能。完全な一本道である。

Edith Finch は、Finch一族最後の生き残り。彼女以外はみんな死亡、もしくは失踪している。悲劇はすべて、100年前に建てられた屋敷で起こった。Finch家では故人の部屋をそのまま残しているため、死んだ人数と等しいだけの部屋があり、増改築によって歪な形状になっていた。Edithは1つずつ部屋を訪れ、それぞれの遺品に触れて、彼らがどのように死んだかを追体験する。

  • Odin ... 海で溺死。
  • Edie ... 長寿。物語を書き残す。
  • Molly ... 空腹から幻覚を見て、怪物となった。
  • Barbara ... 漫画の中で絶叫の女王に返り咲く。
  • Calvin ... ブランコで一回転。
  • Sam ... 鹿に突かれ墜落。
  • Walter ... 地下から這い出してきたところを電車に轢かれる。
  • Gregory ... 浴槽で溺れる。
  • Gus ... 暴風に飛ばされた。
  • Dawn ... 病死。Edithを外に連れ出す。
  • Lewis ... 工場の作業で発狂。
  • Milton ... パラパラ漫画の中に消えた。
  • Edith ... 出産のため死亡?

まず驚くのはグラフィック。どの部屋にも大量のオブジェクトがあって、個性的に装飾されている。陳腐な表現だが、「実写と見紛うレベル」だ。これほどのクオリティを、1,980円のゲームに盛り込むとは。

そして追想パートの演出が素晴らしい。変身したり、ブランコで回転したり、漫画や写真に入り込んだり、妄想と現実の区別がつかなくなったりと、ゲームだからこそ体験できる演出が盛り込まれている。おかげで飽きずに歩ける。
インタラクトはやや不親切。どうせ歩くだけなんだから、もっと簡単でいいのに。また、Edith のモノローグが画面内のオブジェクトとして表示され、霧散する演出もかっこいいのだが、声がしたとき対応する字幕を探す苦労があって、見落とすことも多い。吹き替えなら問題なかったのだが。

このゲームには「怪物を倒す」とか「○×を見つける」といった目標がない。プレイヤーを次の部屋、次の部屋へと牽引するのは、「どんなオチが待っているんだろう?」という好奇心だ。2時間ほど歩けばゲームクリアとなるが、明瞭なオチは用意されていない。

Finch一族は「呪い」のため、次々に不慮の死を遂げていったのだろう。しかし全滅したら「呪い」も消えてしまうため、語り部に選ばれた人物だけは長命となる。死んだものたちはみな幸せそうだったため、長命=幸福とは言えないようだ。
この「呪い」がいつ消えるのか? どうやったら解放されるのか? まったくわからない。

伏せることで不気味に見せたいのだろうが、やっぱり「呪い」の正体を見せてほしかった。さもなくば、残された末裔が「必ず呪いを解いてみせる」と誓うだけでもいい。こんな終わり方じゃ希望がないよ。

映像、演出は素晴らしい。でも、まぁ、2度はやらないかな。



Steam: What Remains of Edith Finch

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フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと / What Remains of Edith Finch (PC)