残穢【ざんえ】 住んではいけない部屋 Zan'e: Sunde wa ikenai heya

2015年 日本映画 3ツ星 ホラー 幽霊 幽霊屋敷 推理

解決しないミステリー。

起こる現象は「ホラー映画あるある」ばかりだが、規則性・原因を遡っていく構成は珍しい。ちょっとしたミステリーだ。
しかし犯人が「炭鉱で死んだ人々の怨霊」がとわかると、急に論理性が破綻する。劇中の人物も言ってるが、同じくらい怨みをもって死んだ人は日本中にいるだろうから、ありとあらゆる土地に幽霊が出ることになる。

なぜ炭鉱の怨霊が特別なのか?
なぜ炭鉱より前に遡らないのか?
なぜ地鎮祭でリセットできないのか?

そうした疑問に物語は答えず、ホラー展開で押し流す。パソコン画面の文字が化けて、怨霊登場。あーあ。元凶を見つけたら、お祓いして解決でいいのに。

また、女子大生は引っ越ししても霊障が続いた。つまり土地から人に呪いが感染したわけだが、これも未解決。
ついでに言えば、主人公「私」は最後まで傍観者。涼しげで、美しいまま。オカルトを観察するものは、オカルトに魅了されるなんてこともナシ。ドラマも弱い。

ミステリー仕立てはよかったが、最後のホラー展開はいただけない。残念だ。
ぶっちゃけ、いいところはすべて予告編に含まれていて、本編にそれ以上の要お削がなかった。

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