声だけを好きになれるか?

2008年 娯楽 アニメ 社会 考え事
声だけを好きになれるか?

通販専用のフリーダイヤルに約500回も電話をかけた男が逮捕された。

計3100時間、通話料約380万円の損害を与えた疑い。男は容疑を認めていて「女性の声を聞きたいが、生身の女性とはしゃべれないのでかけた」と供述している。すさまじい熱意だ。

今どき、女性の声なんてどこでも聞ける。アニメやラジオでは物足りなかったのか? フリーダイヤルの応答パターンなんてそう多くないはず。それを1回平均6時間以上も聞いて飽きないとすれば、「声」に恋したとしか思えない。
どんな声なのか、すごく聞きたくなってしまった。

逮捕された男は、声の主に興味はなかったのか?
私だったら声の主を探すだろう。探して会えたとして、どうするかはわからない。あんがい実物の声は大したことなくて、落胆してしまうかもしれないが、それはそれで1つの決着がつく。それからどうするかは、そうなってみないとわからない。
まぁ、芸術品と芸術家の人格は、必ずしも一致しない。録音された声に惚れたなら、実物なんて関係ないのかもしれない

逮捕された男は、なぜ声を聞き続けたのだろう?
私は声フェチではないが、「声」そのものではなく、「声から連想されるイメージ」に興奮するはず。パターン化された応答メッセージを記憶して、脳内で自分とのヤリトリを想像する。ここまで来ればトリガーである声を聞かずとも、脳内で無限再生できる。逮捕された男は、入力→記憶→再生の妄想回路がなかったのか。あるいは本当に「声」だけを好きだったのか。
もしサウンドドロップ(ボタンを押すとアニメの名台詞をしゃべる玩具)に恋したら、ひたすら押すのだろうか?

妄想力が高いのか低いのか、よくわからない事件だと思った。