螳螂捕蝉(トウロウ セミをうつ)

2008年 哲学 思考実験
螳螂捕蝉(トウロウ セミをうつ)

 なにかに気づいたとき、私は『螳螂捕蝉』の故事を思い出す。

 前後の状況を省くと、こんな話だ。

螳螂捕蝉、黄雀在後
  • 木に蝉(せみ)が止まっている。蝉は空を飛べるので、なんでもお見通しと思ってる。
    • 蝉は、背後から螳螂(カマキリ)に狙われていることに気づかない。
      • 蟷螂は、背後から雀(すずめ)に狙われていることに気づかない。
        • 雀は、下から猟師に狙われていることに気づかない。
          • 猟師は......

 猟師はハッと振り返り、周囲をキョロキョロするだろう。
 この故事は、目先の利益にとらわれ、背後に潜む災いを見逃す愚を戒めている。おもしろいのだが、説明しづらいのが難点だ。図にすると、こんな感じ。

地上 ← セミ ← カマキリ ← スズメ ← 猟師 ← (?)

 なにかに気づいたとき、私はハッと振り返る。
 昨日の自分がそうであるように、いまの自分もなにかを見落としているんじゃないか?

「おれってスゲー!」
 と鼻が高くなるときこそ、もっとも転びやすい。
 ゆめゆめ油断めさるな。

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