[漫画] デビルマン / 凝縮された全5巻

2008年 娯楽 マンガ 考察
[漫画] デビルマン / 凝縮された全5巻

 漫画『デビルマン』を読み終えた。

 おもしろかった! 話には聞いていたが、これほど強烈だったとは。2008年まで読まずにいたのは愚かだった。

 驚くべきは、この傑作がたった5巻で完結していることだ。怒濤の展開の中、あるべきエピソードがカットされている。もし現在に連載されていたら、デビルマンの放浪や仲間の救出、軍団の結成、最終決戦などを緻密に描いて、50巻くらいの大長編になっただろう。

 欠けたピースの暗示は、多くのクリエイターを刺激した。永井豪本人も『新デビルマン』で加筆し、『バイオレンスジャック』や『デビルマンレディー』で世界を広げた。正伝を補完するものとしては、『ネオデビルマン』、『AMONデビルマン黙示録』がある。
 漫画の世界観がこうやって広がっていくのはいいね。

 前にも言ったけど、最近の漫画はとにかく長い。外伝や続編にすべきエピソードを詰め込んでいる。出だしは素晴らしいのに、人気が出るにつれて冗長になり、おもしろいけど疲れる作品になってしまうのは、残念でならない。

 まぁ、永井豪本人も、『バイオレンスジャック(全10巻)』や『デビルマンレディー(全17巻)』と巻数が増えたから、漫画の長編化は時代の流れなんだろうな

 私はコンパクトに完結する物語が好きなようだ。