電力、計るだけダイエット
2011年 科技 生活 省エネ
昨年10月から「計るだけダイエット」をやってるんだけど、けっこう効果的だ。
その成果はまたの機会に述べるとして、興味深いのは、本当に計るだけ──現状を知るだけでダイエットできちゃうこと。努力が数字として見えると、脳から快感物質が分泌され、やる気が持続するそうだ。
この仕組みは、いろんな応用ができるのではないか?
まっ先に思いつくのは、家計のダイエット。しかし家計は季節によって変化するため、見える化しづらい。いい方法がないか考えているところだが、ふと、べつの応用法を思いついた。つまり、電力の計るだけダイエットだ。
たとえば1日あたり、1時間あたり、どのくらいの電気を使っているかが数字として見えれば、節電の工夫が楽しくなるだろう。
コンセントを抜いて待機電力をなくすと、○円。
エアコンを2時間がまんすると、○円。
朝方生活に変えると、○円。
効果がわからないと、節電は飽きてしまう。ちょっとくらい大丈夫だろうと考えがちだが、「ちょっとくらい」が幾らになるかは知られていない。もし電力メーターが発電所とリンクして、使用量がパソコンなどで集計できれば、大きな節電効果があるはず。
たとえば毎週の目標金額を決めておき、達成できたかどうかをグラフにする。オーバーしそうなときはアラートを出す。昨年に比べて、いくら減ったかを表示する。おおぅ、おもしろそう♪
いまのIT技術なら難しくない。なんで電力会社はやらないんだろう?
と思って調べてみたら、すでにあった。「スマートメーター」と言って、通信機能によって電力利用量の遠隔検針や遠隔遮断ができるそうだ。スマートメーターがあれば、家庭は無駄な消費を省き、電力会社はより柔軟な電力供給ができる。たとえば、需要が多くなる時間帯の電気代を高くすれば、消費者は電気使用の時間帯をずらすようになり、安定供給が実現される。
すごく便利なのに、なぜ実現しないのだろう?
もし、いま普及していれば、計画停電も回避できたかもしれないのに。
節電文化が進むと、電力の需要が減って、電力会社が赤字になる。だからスマートメーターを普及させないのではないか? まぁ、それは邪推なんだけど、発電所を1基建造するより、スマートメーターを普及させる方が効率的だし、賢いと思う。
世の中の仕組みを変えるのは、とても難しいことかもしれないが、やるべきときが来たと思う。