この節電は持続可能か
2011年 社会 災害 省エネ
この節電ムードは、このまま持続できるだろうか?
東日本大震災で失われた発電量は、一朝一夕にはもどらない。福島原発が廃炉になれば、回復はさらに遠のくだろう。
当座をしのぐため、計画停電が進められているが、都市機能を麻痺させることができず、大々的に実施されていない。つまり、それだけ発電所に無理がかかっているわけで、長続きしないことは明らかだ。私たちは否応なく、節電しつづけるしかない。
街からネオンが消え、デパートの営業時間が切り詰められ、電車の本数が減った。この状況に堪えるのではなく、慣れるしかない。
しかし春はいいとして、夏も節電できるんだろうか? たとえば、みんなでエアコンをつければ、都市全体が停電になり、建物の中は蒸し風呂になる。それがイヤなら節電だ。無駄な電気は使わない。当たり前のことが強制される夏が来る。自分くらい、ちょっとくらいと思う人がいると、みんなダウンだ。
ふと、鳩山首相(当時)がぶちまけた「二酸化炭素25%削減目標」を思い出した。本気で25%削減するなら、いまの節電ムードじゃぜんぜん足りない。民主党が前首相の約束を守る気があるなら、今こそ、「このくらいの節電は堪えろ!」と言わなくちゃいけない。まぁ、無理はものは無理だけど。
しかし現在の節電ムードは、いいキッカケかもしれない。電気代が高くなっても、節電は進まなかった。だが、ないものはないとなれば、やるしかない。そして、やりつづけるしかない。
地震発生から一週間。息を止めるような節電は、もう無理。「いま、できること」から、「ずっと、できること」へ。持続可能な節電を考えなければならない。
たぶん、電気代は高くなるから、家計のためでもある。