なぜ電気料金をあげない?

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なぜ電気料金をあげない?

 4月5日、蓮舫節電啓発担当相は電気料金の値上げは「あってはならない」と発言した。

 なぜ駄目なのか? 小麦の輸入価格高騰にともなって小売価格をあげるのと、なにがちがう? 東京電力のミスであろうとなんであろうと、資金調達のために料金を値上げするのは当然だ。
 ましてや発電能力が落ちているのだ。電気料金を値上げすれば、みんな必死になって節電する。夏までに効率的な生産方法が編み出されたり、高性能なエアコンが開発されるかもしれない。あるいは工場やビルも自家発電などの工夫を凝らすだろうから、スマートグリッドも推進できる。必要は発明の母だ。

 電気料金を上げると、「貧しい家庭が困窮するかもしれない」と言う人もいるが、だったら計画停電や大規模停電、法による規制がいいのか? それこそ値上げした料金の余剰分を還元すればいい。
 資金調達より節電のために値上げするなら、3年後に大幅値下げをしたり、差額をあとで返還してもいい。カネが集まれば、大規模の改善ができるし、復興も早まる。

 電力会社は独占企業であり、電気料金は政府が監督する。逆に言えば、蓮舫節電啓発担当相だけが料金の値上げを宣言できる。もともと日本人は、世界でもっとも高い電気料金を請求されている。政府による監督なんて、すでに有名無実化している。

 受益者負担という考えもる。消費者が電力を求めたから、東電は福島に原発を作ったわけで、その不始末は受益者が負うべきだろう。べらぼうな電気料金を見れば、原子力発電所が必要かどうかを見直すキッカケにもなる。

 蓮舫氏は節電啓発担当相である。実際に値上げせずとも、「(値上げも)あり得る」と言うだけで相当な効果があっただろう。節電を進めるもっとも有効な手段をいきなり封じたのは理解できない。

 電気料金をあげなければ、結局、税金が投入される。因果関係があいまいになって、改善は進まない。すでに日本は借金漬けだから、国家破綻に直結しかねない。それなら電気料金をあげる方がずっとマシだ。

 蓮舫氏はどうやって節電を啓発するつもりなんだろう?


<計画停電>LED照明に補助検討...蓮舫節電啓発担当相
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