東日本大震災から1年
2012年 社会 原発 政治 災害
今日で、東日本大震災から1年になる。
この1年で、日本は大きく変わった。震災被害もすごかったが、それ以上に愕然としたのは権威の弱さだ。日本は、こんな連中に支配されていたのか。
政府はリーダーシップを発揮できず、うそばかり。
省庁、官僚たちは右往左往するばかりで、必要な情報を出さない。
政治家たちは政局に夢中。
マスコミは思考停止して、権力監視も、科学検証もできない。
学者たちは極端なことを言うばかりで、実行の手助けにならない。
経済界は現状維持に腐心し、長期的な展望を示せない。
そして東京電力に至っては、言葉もない。
しかも、だれも責任をとらない。なにが問題だったのか、どうすべきだったのか、まったく総括されない。管総理(当時)の不手際はひどかったが、「管災」という言葉で片付けるのは早計だろう。
いま、ヒステリックな脱原発論に対して、冷静な容認論が広がっているが、問題はそこじゃない。リスクをはらんだ原発を運営する連中が、とんでもなく金食い虫なのに、とんでもなく無能で、とんでもなく無責任だってことだろう。
被災地の復興も遅れている。その原因はやはり……政治の鈍さだ。鳴り物入りで創設された復興庁も、霞ヶ関との調整ばかりで、実務は進んでいないように見える。そもそも、どのように復興するのかビジョンを示せていない。
3.11以降、あらゆる権威が失墜した。
政府を信用できない。
官僚を信用できない。
政治家を信用できない。
学者を信用できない。
経済界を信用できない。
東京電力を信用できない。
これじゃ、復興が進むはずもない。
ふんぞり返っている連中が、有事に役に立たないのは仕方ない。
未曾有の大災害で、適切に動けなかったことも仕方ない。
だが、時間が経っても検証せず、だれも責任をとらないなんて、許されない。卑劣だ。
こんな連中が「上」にいるんじゃ、やる気も失せる。日本人全体が受けた絶望感は、震災の被害より大きいかもしれない。