Gmailの二段階認証を設定して思うこと

2012年 科技 Google Webサービス
Gmailの二段階認証を設定して思うこと

 年末、「Gmailアカウントの乗っ取りが相次ぐ」というニュースが出回った。

セキュリティのために譲歩する

 そこには、携帯電話を使った二段階認証の方法が紹介されていた。なんだかよくわからないけど、設定してみる。これで新しいパソコンからログインするときは、携帯電話に送信されるパスコードが必要になった。セキュリティを高めれば、利便性が損なわれるが、まぁ、私の使い方なら堪えられるレベルだった。
 ついでに「アプリケーション固有のパスワード」も設定する。これまた面倒くさい。いま使っているサービスはいいけど、新たにサービスを追加する場合は辟易するかもしれない。

警告メールの緊張感

 11月から、「不正なログインをブロックしました」という警告メッセージが届くようになった。これはニュースが指摘する乗っ取りではなく、私がiPhoneアプリからGmailアカウントにアクセスしたときに生じるものだ。とはいえ、いきなり「不正なログインをブロックしました」と言われれば、びっくりする。警告内容もややこしくて、それがどのアプリから生じたものかわかりにくい。
 疑わしきは削除──。
 私は無料アプリをいろいろ試すので、使わなくなったアプリや、ちょっとでも不審なアプリからのアクセス権はどんどん削除した。そんな矢先だったので、「Gmailアカウントの乗っ取りが相次ぐ」なんてニュースは衝撃的だった。

乗っ取られたら壊滅的ダメージ

 気がつけば、Gmailアカウントにあずけた個人情報は膨大になっていた。もし突然利用できなくなったら? PCのクラッシュは何度も経験したけど、それらとは桁違いの被害になるだろう。
 怖いのは、有効なバックアップ方法も、リカバリー方法もないことだ。恐ろしい。本当に恐ろしい。多少煩雑になっても、セキュリティを高めておいた方がいいだろう。

 しかし実際にGmailアカウントを乗っ取られた人って、どのくらいいるんだろう? ざっと検索したが、データ的な根拠はないようだ。アカウントの乗っ取りはよくある話だが、総数は多くないし、Gmailにかぎった話じゃないし、年末に急増したわけでもないようだ。

盗人を警戒し、体制に支配されるか

 このニュースはGoogleが意図的に流したのではないか?
 と疑っている人もいる。その目的はセキュリティ対策の促進ではなく、ユーザーの携帯電話の情報を収集することではないか? いま「LINE」が携帯電話へのアクセス経路を確立し、メディアとしての存在感を増しつつある。同じ野望をGoogleが抱いたとしても不思議でない。

 なるほど、そういう見方もあるのか。
 たしかに第三者にアカウントを乗っ取られることだけでなく、あらゆる個人情報をGoogleに牛耳られる恐れもある。しかしまぁ、心配しても仕方ないような気がする。私は、長いものに巻かれることに抵抗感がない。「Googleが私たちの選択肢を奪っている!」と言われても、便利ならそれでいいと思っちゃうんだよね。

 二段階認証を設定して、やや面倒になったけど、安心感は増した。いまはこれで十分だ。