カーナビは必須だが、カーナビでなくてもいい

2013年 科技 Google Webサービス
カーナビは必須だが、カーナビでなくてもいい

 運転中、ふとiPhoneを見たら、車載カーナビと異なるルートを案内された。Google Nowは立ち上げるだけで現在地から自宅までのルートを検索してくれるのだ。Googleおすすめルートを通ってみると、すんなり渋滞をパスできた。なんてこった!

 車載カーナビは地図が古いため、新しい道を案内できない。新しい道があることは知っていたけど、遠回りになるはず。しかしVICSと組み合わせると、時間的な抜け道になったのだ。VICSは車載カーナビでも受け取れるが、地図が古いと駄目だった。

2004年のカーナビ

 私の車載カーナビ(ALPINE NV8-N555S)は、2004年2月15日に、26万6千768円で購入した(VICSアンテナ、工費含む)。当時はDVD型が主流だったけど、アクセスの速いHDD型にした。地図はまったく更新していない。3万近くかかるし、HDDを預けなければならないのが面倒だったから。

 買ったときは、「道路なんてそう変わらない」と思っていた。しかし2年ほどで食い違いが目立つようになる。不況でも道路はどんどん伸びていくんだな。カーナビと比較して、新しい地図や建物を確認できるのは、まぁ、楽しかった。
 近所はいいけど、旅先の道がわからないのは困った。地図にないバイパスが見つかると、そこを通ったほうが早いかどうか考えなくてはならない。

 カーナビがなかったころは、どうやって目的地に向かっていたんだろう?

 依存度が高まったため、最新地図への希求も高まった。それでも更新しなかったのは、ITガジェットの進化が早かったからだ。

AppleとGoogleの侵略

 2005年、Googleマップが発表される。めちゃくた便利で、旅の計画立案に欠かせないツールとなった。それまで使っていた地図ソフトは、ゴミ箱にポイだ。あらかじめルート検索しておくことで、誤差をカバーできた。

 2007年、iPod touch を購入する。外出中のネット接続はできないが、旅のメモやPDFを閲覧できるのは助かった。おかげで旅行時のプリントアウトが減った。

 2009年、iPhone 3G が手に入ると、現地でルート検索できるようになった。旅行中にネットを閲覧できるのは泣きたくなるほど嬉しかった。

 2011年、Googleマップに渋滞情報が組み込まれる。VICSだけでなく、個人が持ち歩くスマートフォンの現在地を集計しているようだ。定点観測型ではなくセンサネットワーク型だな。原理的には、道路でないところの混雑も把握できるわけか。で、2012年に Google Now がリリースされる。起動するだけで、帰り道のルートや所要時間を教えてくれる。もう、びっくりさ。

 2013年6月の「WWDC 2013」では、iPhoneやiPadを車載モニターと連携させ、カーナビやハンズフリーフォンとして使える新機能「iOS in the Car」が発表された。まだ実機に触れたことないけど、来るべきものが来たなって感じ。

 細かいことは考えず、ふらっと飛び出しても、最適ルートを走れる。いちいち検索せずとも、カーナビがおすすめ情報を教えてくれる。現地についたら定休日とか、特別公開を見逃すとか、そうしたロスも減るだろう。
 カーナビの存在感はますます薄くなる。知人がパイオニアにいるけど、大丈夫だろうか?

カーナビは進化したか?

 2002年のカーナビはオプション装備だったけど、いまは標準装備になっている。しかし10年後も、同じようにカーナビが搭載されるだろうか?
 カーナビ各社のサイトを見たけど、「これだッ!」と思える新機能はなかった。もちろん私の古いカーナビより高性能なんだけど、ほとんどスマートフォンに置き換えられる。カーナビのアドバンテージは、ジャイロセンサーと電波が入らないところのケアくらい? そのくらいなら我慢できる。

 そういえば、ホンダが「SAFETY MAP」というサービスを一般公開していた。インターナビから収集された急ブレーキ多発地点データと、交通事故情報および地域住民などから投稿される危険スポット情報を地図上に掲載している。現在は埼玉県のみ。

 運転者がどのへんで急ブレーキするか、視覚的に見られるのはおもしろい。しかし情報の総量が少なすぎる。ビッグデータになれば有用だろうけど、そうなるとインターナビに限定できない。
 おもしろいアイデアなんだけど、カーナビの差別化になりにくい。統一規格のセンサーとして販売する方がいいのではないか。

 世の中の変化は本当に速い。
 いつの間にか、スゴイが当たり前になってしまうので、メモを残しておく。