デッドゾーン The Dead Zone

1983年 外国映画 4ツ星 学校 超能力 @S.キング

それは能力の死角。

私がレンタルビデオ屋の会員になって最初に借りた10本の1つ。『トワイライト・ゾーン』のようなものと思って見たから、初見時はアリキタリな話と思った。

2021年に再視聴すると、だいぶ印象が変わった。
まずビジョンがいい。過去を視るとき、ジョニーはその場にいる。観客もぐいっと引き込まれて、驚いて周囲を見てしまうような錯覚に陥る。派手な視覚効果はないのに強烈。
未来を視るとき、ジョニーはそこにいない。だから未来は変えられる。変えられると思っていなかった。それは死角(デッドゾーン)。なんてこった。デッドゾーンは能力の名前と思い込んでいた。

初見時、ジョニーは超能力捜査官になると思っていたから、事件をひとつ解決して手を引いたのは拍子抜けだった。再視聴してもスジは通ってないが、ジョニーがやけくそになっていたことがわかった。ヒーローじゃない。
マスコミ発表や事件解決が無駄かと言うと、そうじゃない。ジョニーは黙ってスティルソンを狙撃して、失敗して、死んだ。ただのテロリストに見えるが、ジョニーが得ていた信頼が大きく作用するだろう。そう思うことができた。

再視聴して、スティルソンの存在がけっこう序盤から示されていたことがわかった。スティルソンが唐突に出てきたように見えたのは、私の観察力不足だった。演じるマーティン・シーンの顔立ち、声、身振りがいいね。勢いはあるけど、危うい感じ。はまり役だった。

欲を言えば、ジョニーが狙撃を決意した気持ちを描いてほしかった。成功しても失敗しても破滅するのに、なぜ? 恋人サラのため? まぁ、言葉にせずとも、クリストファー・ウォーケンがまとう悲壮感に説得力がある。教え子を抱いて泣くシーンとか、圧倒されてしまった。

映画の印象は歳とともに変わる。むかしは狂喜していたものに辟易したり、退屈と思っていたものに感動したり。映画を見て、レビューを書いても、再視聴も悪くない。

ストーリー

ジョニーは教師。交通事故で昏睡し、目が覚めると5年の歳月が流れていた。恋人は別の男性と結婚していた。仕事も体力も失ったジョニだーが、触れた相手の過去や未来を見る能力を得ていた。
看護婦、医師、殺人鬼を透視したことで一躍有名人になったが、ジョニーは満たされず、教師の仕事を再開。受け持った生徒がスケートリンクで事故に合う未来を予知し、これを食い止めることに成功。ジョニーは未来を予知するだけでなく、変えることができた。
あるとき新進の政治家スティルソンに触れたことで、彼が大統領になって核攻撃を決断するヴィジョンを見る。ジョニーは演説会場でスティルソンを狙撃するが失敗。しかしスティルソンが破滅する未来を見て、安堵しながら死んでいった。
(おわり)

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