(秘) 必殺現代版 主水の子孫が京都に現われた 仕事人vs暴走族 Hissatsu Gendai-ban
1982年 日本ドラマ 4ツ星 #必殺ファンタジーがリアルになった
大晦日、民放NHK比ぶれば 恥ずかしながらNHKが勝つ。神も仏もないものか。紅白嫌いの皆さんの、つのる鬱憤の数々を、晴らす一夜の裏番組。お釈迦ぁさぁでも、 I don't know
私が10歳だった年の大晦日に放送されたテレビスペシャル。仕事人スペシャルは駄作が多いが、本作は図抜けておもしろかった。
舞台は現代──。仕事人たちの子孫はカラオケ仲間になっていた。カラオケ仲間って、私が経験したことのない文化だ。年齢も職業もちがう大人の部活動みたいで楽しそう。
江戸時代 | 現代版 |
---|---|
中村主水(同心) | 中村主水(保険の勧誘員) |
秀(飾り職人) | 村上秀夫(手作りアクセサリー売り) |
勇次(三味線屋) | 山田勇次(ピアノ調律師) |
加代(なんでも屋) | 長谷川加代(個人タクシー運転手) |
あの中村主水に子どもがいたことに驚く。養子を取ったのだろうか? 団地住まいのせんとりつが、サラリーマンの主水をいびる構図はリアルすぎて困る。江戸末期(テレビシリーズ)の中村主水、せん、りつの写真が飾ってあるのもおかしい。
ターゲットは、当時問題になっていた暴走族。悪逆非道な連中が処刑される展開は痛快だ。悪人には人権も弁明の余地もない。いまは問題あるかもしれないが、当時はこのストレートさがよかった。ちなみに漫画『北斗の拳』の連載は翌年から。時代の先端を走ってる。
秀のバイク八艘飛びがカッコイイ。絵的にはしょぼいけど、そこはイメージで補完だ。勇次はトンネル出口で待ち構え、ピアノ線でバイクごと吊り上げる。個人的には「スリンキー(スプリング玩具)」を使ってほしかった。ストップウォッチで時間を計測したり、なぜか鍵盤を弾く音がするのがいい。たくさん殺しても、1人殺しても、もらえるものはおんなじ。先祖伝来の道具が使えなかったとは言え、体術、技術は受け継がれたんだな。
暴走族のモブ連中は、加代がおびきだして崖から転落させる。相変わらず殺し道具はなし。最後の主犯格は、主水が剣に類するものでズバッと斬るかと思いきや、工事灯でガソリンタンクに穴を空け、引火させて爆殺。テレビの前でのけぞったが、やっぱり正々堂々とやらないところが嬉しい。
結局、保険の大口契約は自殺と処理されてパー。主水はいつもどおり、せんとりつにいびられる日々に。保険屋という設定はいいね。ほかにもエピソードを作れそう。続編を期待したが、これ一本切りのスペシャルだった。