地球の静止する日 The Day the Earth Stood Still

1951年 外国映画 5ツ星 SF:ファーストコンタクト ロボット:自律型

「クラトゥ・バラダ・ニクトゥ」

宇宙人を醜悪なモンスターではなく、理知的かつ紳士的な存在として描いた古典SFの傑作。1951年といえば原爆投下の6年後で、赤狩りが盛んだった。そんな時代に、「宇宙人が地球にメッセージを伝えに来た」という映画を撮ってしまうのだから、アメリカはすごい。

モノクロ作品で、映像表現もつたないが、インパクトは大きい。とりわけゴートが強烈。クラトゥに教わったコマンドを唱えても止まらなかったときは、もう、どうしていいかわからないほど怖かった。絶対的なパワーをもちながら、じつは命令に忠実なロボットでしかない。ゴートの迫力があればこそラストの説得力も増す。

宇宙人を出しておきながら、真に描いているのは「人類」という種だった。人類とはなんなのか? 変わることができるのか? 本作によって、ファーストコンタクトは魅力的な題材の1つに昇格した。そうした敬意も込めて、評価を5ツ星にさせていただく。

地球の静止する日
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