地球が静止する日 The Day the Earth Stood Still

2008年 外国映画 3ツ星 SF:ファーストコンタクト ロボット:自律型

57年ぶりの再訪として見ると......

単体で見たらおもしろいかもしれないが、『地球の静止する日』(1951)のあとに見ると目新しさがない。リメイクだから目新しくないのは当然だが、それ以上にSFマインドが感じられない。つまるところ、アリキタリなのだ。

クラトゥは人類の滅亡(=地球の救済)を規定事項として伝えに来たのに、なぜ考えを変えたのだろう? 考えを変える可能性がある人物をメッセンジャーにするのはよくないし、そもそもメッセンジャーを送る必要もない。人類が成長のチャンスを求めるのはわかるが、成長の見込みがないと判断されたからこそ殲滅が決まったはず。バーンハート教授の「危機的状況が人類を変える」という主張だって、希望的かつ主観的観測にすぎない。あるいは逆に、人類を成長させるためにクラトゥを送り込んだのか? そう考える方が自然だが、それらしい演出はない。
このあとヘレンは、クラトゥの言葉を人類に伝えられるだろうか? 『コンタクト』のエリーのように疑われ、崇められ、ややこしい立場になるだろう。後日談に興味が増す。ならばいっそ続編として作ってくれる方がよかったかもしれない。

地球の静止する日
地球の静止する日

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