ドロドロしてるのに、乾いている
主人公には、病んだ女性を惹きつけるフェロモンがあるのだろうか? セックスを求めてくるのはいつも女性から。主人公はただそれを喰うのみ。永沢さんよりタチが悪い。そんな主人公が泣こうが叫ぼうが、心に響かない。
あらゆる感情の中核に、セックスと死がある。セックスは克明に描かれるが、死はあいまい。主人公はキズキの自殺をどう解釈していたのだろう? 死んでしまえば、死因に興味はないのだろうか?
もっと若いころに見ていれば、印象が違ったのかもしれない。本作を楽しめないのは、私の感受性が涸れた証拠だとしても、惜しいとは思わない。
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