サスペリアPART2/紅い深淵 Profondo Rosso | Deep Red

1975年 外国映画 2ツ星 推理 殺人鬼 超能力

世にも珍しい、親より先に生まれた子ども。

本作は1975年にイタリア公開されたが、1977年の『サスペリア』のヒットを受け、日本でのみ『PART2』と題して1978年に公開された。むろん関連性はまったくない。ジャンルも異なる。ダリオ・アルジェント監督にも知らせてなかったそうだ。「その方が売れる」「2と誤解して劇場に足を運ぶやつが出てくる」と考えたのだろうが、そーゆーインチキするから映画人口が増えないんだよ。

私も『サスペリア』の続編として視聴した。テレパシストが殺され、残虐描写がつづくけど、じっさいはミステリー。よくよく見ると事件にオカルトは介在していない。うそのようなホント。

主人公はアメリカ人ピアニスト。犯行現場を目撃したことから、自分も狙われるのではないかと捜査を開始する。このあたりも説明不足で、主人公に共感しづらい。パートナーになるジャンナは厚化粧で、笑っているが感情を読みづらい。立ち振舞は珍妙で、フィアットは極端に小さい。なんかあると思っていたが、まさかのフェードアウト。先が読めない。

事件を解く鍵は「消えた絵」だが、まったく注目していなかった。主人公が追っているものを認識できないのは、ショッキング描写のノイズが多いから。『サスペリアPART2』という宣伝効果もあるが、映画の演出もよろしくない。
とはいえセンスはぶっ飛んでいる。カルロを引きずり回して頭を粉砕する必要があっただろうか? 犯人の末期も強烈。よくわからないまま記憶に残る。
おもしろいわけではないが、すごかった。


ダリオ・アルジェント:魔女三部作
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