エンド・オブ・ザ・ワールド Seeking a Friend for the End of the World

2012年 外国映画 2ツ星 ロードムービー 文明崩壊後

「他人の力を借りて自殺した」

小惑星の衝突によって人類滅亡が確定した。残された時間は3週間。主人公は妻に逃げられ、無気力な時間を過ごしていた。あるとき、隣人の若い娘と知り合って、互いの目的のため旅をするが、やがて惹かれ合う。ふたりはいっしょに最後の瞬間を迎える。

ネヴィル・シュート『渚にて』(On the Beach)とは関係ない。終末の過ごし方を描くなら、戦争より疫病より小惑星が確実だね。冒頭で最後の希望が潰えるのもよい。序盤の、社会が狂っていく様子も楽しい。家政婦さんが最後まで仕事をするのもグッド。

しかし本題である「若い娘との旅路」は不可解な点が多い。過眠症の設定はスルー。暴徒が暴れるかたわらで、レストランや警察が機能してる。浜辺で憩う人々も中途半端。父親との和解に、どんな意味があるのか? 娘がもどってきたなら、父はどうなったのか?

描かれたのは『渚にて』の一部の一部。
悪くはないが、私にとっては新鮮味がなかった。


終末もの/心地よい破滅
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