第七天国(活弁入り) 7th Heaven

1927年 外国映画 4ツ星 コメディ サイレント映画 恋愛 戦争

これぞ映画。

[あらすじ] チコは脳天気な男。下水道掃除者から道路清掃者になれると信じ、屋根裏部屋「第七天国」に住んでいる。チコは神を信じない。あるときチコは、虐待から逃げてきた娘・ディアーヌと知り合い、愛し合い、結婚するが、第一次世界大戦に徴兵される。

Gyaoで活弁付き(弁士:澤登翠)を鑑賞。活弁は初体験だが、素晴らしかった。地の文とセリフの演じ分けが心地よい。
どのシーンも構図がばっちり決まってる。役者の演技は大げさだけど、それぞれがなにを見て、どう思っているか、よくわかる。

上映されたのは第一次世界大戦の終結から9年後、第二次世界大戦の12年前。ラストは「都合がよすぎる」と言われればそのとおりだが、映画館で見るならファンタジーがほしい。むしろ経緯をすっ飛ばしたことで、リアリティが弱まり、「ありっこない。でも・・・」と考えさせることに。これまた不思議だ。
夢? そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

あとディアーヌ(ジャネット・ゲイナー)の悲しみの表現が印象的だった。泣いて、怒って、微笑んで。このコマ数、この色数で、ここまで胸を打つシーンを作れるのか。
じつに印象的な1本だった。

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