雄呂血・おろち (活弁入り) Orochi

1925年 日本映画 4ツ星 サイレント映画 チャンバラ 時代劇

日本映画は深いなぁ。

2023年、Gyaoで視聴。冒頭のメッセージに感じ入る。文化は勝手に残らない。人間がつないでいくんだなぁ。

年少の頃から映画の虫であった松田さんは、戦後志を立て、国内に散逸している無声の日本映画の収集に当たられました。
震災、戦災、人災と、不幸な災害を受け続けた日本映画がこんにち断片的にも残存し、保存されているのは、松田さんの執念と、努力おかげです。
フィルムライブラリー協議会 川喜田かしこ

日本に「剣戟ブーム」を起こした記念碑的作品・・・とのことだが、アクションよりドラマに驚いた。
主人公・平三郎は短絡的で、あまり感情移入できないが、それでも転落していく姿はあわれ。最後に良心が少し動いたが、それで運命が変わるわけじゃない。因果応報。当然と言えば当然。しかし運命の歯車が狂わなければ、平三郎もふつうに暮らせていただろう。私たちと、無頼の連中の差は、それほど大きくないのかもしれない。

私は日本映画の歴史に詳しくないが、1925年公開なら黎明期だろう。もっと単純なチャンバラ活劇が喜ばれていただろうと思っていたが、現代人も楽しめるドラマが描かれていたことに驚愕する。日本映画、すごいな。21世紀初頭、日本映画は衰退して久しいが、初心に立ち返って復活してほしいね。

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