泥 (34分) Doro

2019年 日本映画 3ツ星 学校 恋愛 短編映画 社会派

メッセージがわからない。

なかなか雰囲気がいい作品。どうなるかどうなるかと思ってみていたが、唐突に終わってしまった。物足りない。

ストーリー

主人公は40代の高校教師。女性が好きだが、思いを秘めたまま結婚し、平穏に暮らしてきた。近ごろ、ある女子高生に接近されて困っていた。手を出せば社会的に破滅するが、教師は自分を抑えられなくなる。女子高生は教師を拒絶し、学校に訴えられる。

一方、女子高生の家庭は崩壊しつつあった。女子高生は母親を刺してしまい、ふたたび教師に救いを求め。しかし一線を超えられない。教師は納得できず、怒鳴り、夜の町をひとりで帰っていった。
(おわり)

ある同僚は卒業後の生徒と結婚して職を失った。ある同僚は自身の経験から「生徒に手を出す教師」を蛇蝎のごとく嫌っている。教師の立場はますます危うく、それを見越して生徒は大胆に挑発してくる。大変だ。

そんな中、偽装結婚までして自分を偽ってきた主人公が、どうして初恋を発症したのか? 初恋と言うが実際はむき出しの性欲でしかない。やれそうだから手を出して、母親の代わりと適当なことを言って、「自分のことを好きなくせに」と怒るのは、拒絶されて当然だろう。

女子高生が教師を誘惑した理由に、母親の存在があるのだろうか? だとすれば女子高生はマザコンなのか? このあたりも釈然としない。むしろ女子高生サイドは見せないほうがよかったのではないか?

拒絶されて怒るところが共感できない。嫌悪されて当然の性癖と思っていれば、一瞬でも触れることができただけで本望だろうに。

この教師は嫌悪されて当然の存在なのか、小悪魔に翻弄されたあわれな存在なのか? いまひとつ中途半端だったように思う。

ページ先頭へ