アイドル爆弾 Idol Bomb

2011年 日本映画 4ツ星 テロ 殺人鬼 犯罪

演技◎、アイデア○、技術△、予算×

あらすじ

売り出し中のアイドル・愛田愛理は、身体に爆弾を巻き付けられた状態で発見される。警察に保護され、起爆は食い止められたが、解除方法がわからない。愛理がブログで現状報告すると、密着ドキュメンタリーが組まれ、《爆弾アイドル》としてブレイクしてしまう。

パッケージに品がないので、くっだらないドタバタコメディだろうと思っていたが、意外や意外、しっかりしたサスペンスアクションだった。めちゃくちゃ低予算で作られたことは明らか。だけどアイデアは秀逸で、なにより役者の演技が素晴らしかった。

惜しむらくは時間配分。東京を駆け回るシーンは、メディアに翻弄されるアイドルの悲哀を表現しているが、いささか冗長だ。また「自作自演ではないか?」という疑念が払拭できないため、ドラマに集中できなかった。もちろん、そうした疑念を残しておく演出かもしれないが、想定ターゲットに期待しすぎだろう。

矛盾が興味深い。愛理は爆弾だけでなく、アイドルの宿命にも振り回されているが、注目される喜びに魅了されている。マスコミはおもしろおかしくレポートしているが、愛理を心配する気持ちにうそはない。犯人は状況を彼女のために利用するが、じつは彼女の気持ちをわかってない。けっこう深い。
物足りないところはあるけど、おもしろかった。

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