ホーボー・ウィズ・ショットガン Hobo with a Shotgun
2011年 外国映画 5ツ星 アクション 痛いめちゃくちゃおもしろかった!
単純なストーリーにゴア表現のオンパレード。ふざけた映画に見えるが、たとえばラスボスを序盤に顔見せするなど、構成はしっかりしている。ホーボーの気持ちが無視→反逆→消沈→再起動→高揚→逃避→挑戦→虚無と、流れるように変遷しているのも素晴らしい。お手本にしたい完成度だ。
そして、ちょっとしたセリフや描写にセンスが光る。たとえば、
- 看護婦が娼婦に「生きろ、雌豚!」と叫ぶ。
- ホーボーは娼婦を「先生」と言ってゆずらない。
- まっとうな暮らしの象徴として芝刈り機が言及されるが、意味がわからない。
- 芝刈り機とショットガンの値段が同じ49ドル99セント。
- ホーボーが赤ん坊を崇める姿は異質。
- 地獄の使者の突飛なデザイン。しゃべるときに口パーツが動く細かさ。
- 無差別、無意味、ド派手な絞首刑装置。
- 芝刈り機の有効活用。
- 自分の悪事がコミックになることを夢見るボス。
- 「助手席に乗りな!」
荒唐無稽なのに、強烈な説得力がある。予定調和の中にも意外性がある。監督の脳内に、しっかりした世界観が確立されているようだ。本当におもしろかった。ゴア表現はきついが、友人におすすめしたい作品である。